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受任内容の変遷

当初は、アパートの建て替えに伴う退去要請に承服しかねる、との内容証明郵便の作成ということでお受けした、急ぎの案件でした。

お話をじっくり伺っていくうち、退去要請の正当性の問題、という側面が浮かび上がってきました。

家主さんは、即時の建て替えに向けて気が急いており、借家人に対しては「出ろ」と言えばすぐに追い出せる、という認識で、補償についてはまったくの無関心でした。

そこで、建て替えを請け負う不動産会社さんも同席する機会を作っていただき、そちらの営業さんから、
「家主の都合で賃貸借契約期間中に出てもらう場合は、転居費用や次の住居の頭金など、十分な金銭的補償をしなければいけませんよ」
と説得してもらいました。

家主さんは不承不承受け入れ、依頼主さんは十分な補償を受けたうえで転居できることとなりました。

結果として私の仕事は、内容証明から、家主さんと依頼主さんの間の契約書作成、という形に変わりました。急ぐことを優先する仕事もありますが、落ち着いてよくお話を聞くことで、よりよい方法が見つかる場合もある、と気づかされた案件でした。