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改姓包囲網

1993年1月10日挙式、同居は4月にはいってからでした。

もちろん二人とも転居したため、結婚あいさつを兼ねて転居案内を発送しました。それは、二人のフルネームを書いたものでした。

こちらは一切、夫の姓を自分につけた連絡をしていなかったのに、「周囲が勝手に改姓手続きをする」という現象を目の当たりにしました。

ぱらぱらと電話や郵便が来ているうちはまだ個別に注意をすればよかったのですが、年賀状で大々的にやられました。

夫の関係者は目をつぶるとして、私の関係者のうち二十数名が、私に夫の姓をつけた宛名で送ってきました。

人が名乗ってもいない氏名を書くというのは、どういうマナーなのでしょうか。

現在よりもまだ夫婦別姓の概念がいきわたっていなかったからしかたがないとは思います。届かないと困る、というよけいな配慮があったのかもしれません。しかし、そういうことがないように、ちゃんと二人の表札も出していました。

最もひどいのは私の従兄で、夫のことを一度も見たことがないのに、「夫フルネーム+まなみ」のみの宛名でした。

訂正連絡をするにも枚数が多すぎるので、宛名データベースに再出力マークをつけ、該当者に向けて普通ハガキで宛名印刷をし、
「私の氏名は生来の百瀬まなみである。勝手に改姓しないでもらいたい」
と返事を出しました。

このはらわたの煮えくり返る作業は数年続きました。ここで諦めたら相手のデータベースは変更されないので、粘り強く訂正を申し入れました。

この反省があったため、後から結婚する人に対しては、
「ただフルネームを並べるのでは相手が脳内改姓することがあるので、『二人とも従来の氏名で暮らしていきます』などの一言を入れた方がいい」
と助言をしました。

また、結婚後10年や15年たってから、思いついたように改姓してくる困った人もいました。なぜこんなことをするのか、まったく理解できません。

その後、行政書士になったこともあり、夫との連名の年賀状をやめて、各自で作るようにしました。