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埼京線

私が少し先に入居、夫が後からやってきて新婚で2年強暮らした社宅があったのは、東京都北区でした。最寄り駅は赤羽で、埼京線を使って通勤しました。

埼京線はぎゅうぎゅうに混雑していて、痴漢が多かったです。ただ、朝は多忙で捕まえにくかったのと、西武池袋線の急行に比べると駅間隔が短いため、確信が持てるまでの犯行に至らなかったように記憶しています。

ある日、かなり遅い時間になった帰宅の車内で後ろからおしりを触られました。それほどの混雑ではないのに、いい度胸をしています。

肘鉄をくれてぶっ飛ばし、胸倉をつかんで、池袋の次の板橋駅で引きずり下ろしました。

小柄で情けない感じの中年男で、酔っていたらしく、ホーム上で言い訳を始めます。

「わかった。じゃあ、事務室に行こう」
駅員さんを呼んで、事務室に連行しました。

前回の体験から所要時間がだいたいわかっていたので、「あーあ」と思いながら、別々のパトカーに乗って警察に行きました。

調書の作成が終わったのは深夜でした。自宅までパトカーで送ってもらいました。たぶん、翌日も普通に出社したと思います。

スカートファスナー下ろし野郎による最初の取調室体験があまりに強烈だったせいか、このとき行ったのがどこの警察署だったか、男の素性がどんなだったかなど、二度目の事件について詳細を覚えていないのが残念です。