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1999年度 ミスマッチの限界

人事アウトソーシングを専門とするこの会社では、高給の親会社の給与事務を処理し、制度の整った就業規則を覚えて同化することを求められる一方で、中途採用された私達は労働基準法すれすれの条件、低賃金で働かされたのでした。管理職の座は出向者のみの指定席。将来の希望も持てず、毎日大きなストレスを感じました。

そして、自分にとって会社の業務は「向いていないし、自己の成長の望めない仕事」であり、会社にしてみれば「要求される定型的事務作業への適性がなく、勝手な行動をして扱いにくい社員」という明らかなミスマッチでした。評価、昇給が低いことも面白くありませんでした。

10月、韓国語能力試験の5級を受験しました。英語のTOEICの韓国語版、といったところです。この試験は6級が最上級です。本当は午後に実施される6級も併願したかったのですが、それは諦めて暴挙に出ました。

同じ会場(大学)で韓国語と行政書士試験が実施されるので、こちらを掛け持ち受験することにしたのです。

この年、週刊モーニングで「カバチタレ」というマンガの連載が始まりました。酒場でさらっと書いた内容証明で不払い給与を取り返すという第一話のインパクトが強烈で、行政書士に興味を持ち始めるきっかけとなりました。韓国語試験を終了時間前に終えて退出し(本当はいけないと言われましたが)、行政書士には遅刻で駆け込んだ結果、韓国語5級だけ合格しました。

以前から継続的に参加していた月例の異業種交流会があります。その日の講師を務めたメンバーが「日本語教師の勉強をしています」と言い、いきなり検定試験の問題の抜粋を配りました。文法や比較語学の問題に皆が悲鳴をあげる中、楽しく解いて、難なく80点がとれました。仕事内容を聞くうち、「これは天職かも」と思い、11月から2ヶ月程度、テキストと問題集を2冊買って通勤時間に勉強しました。

大学卒業後十数年、主として独学で続けた韓国語の学習経験も、日本語を習う外国人の立場を考える上での助けとなり、1月の試験に一発で合格しました。

35歳の子持ち、こんな会社にいてもしかたがないが収入のためだけ、と妥協しかけていました。しかしここで、持ち前の闘志に再び火がつきました。