2008年度 行政書士デビュー
法科大学院を卒業してすぐに新司法試験を受けるのも一つですが、準備不足を感じていたので、初年度は見送りました。「受け控え」といいます。
息子は近所の区立中学校に入学しました。小学校の6年間は「フルタイム正社員だから」「大学院がたいへんだから」と逃げ続けたので、今度は何かのPTA役員をやろうと決めていました。クラスの取りまとめや秋の次期役員選出をする、学年委員というのに立候補しました。同じ小学校から来て、息子が一緒に野球部にはいる予定の人も同じ委員になってくれました。その彼女、式の後のランチをご一緒したら、おにいちゃんの高校入学式に出席した夫に電話で「なんでアンタまで高校のPTA役員を引き受けてくるの!?」と怒っていました。
野球部の練習が始まりました。朝練習はもちろん、土日も練習か試合がはいっています。そして、試合に出かけるときには親が交代で付き添うことを求められました。弁当作りに加え、生徒数が少ないためすぐに当番が回ってきて、しかも一日仕事なのでけっこうな負担でした。
同時に、息子は高校受験に向けて、自分で選んだ塾に通い始めました。
「エロ王国」というところからでたらめに届いたエロっぽいメールをクリックして見ていくと、けっこう進んでしまい、画面に突然「あなたは登録されました。以下の口座に9万円振り込んでください」とのメッセージが出ました。こんなものにはひるみません。警察に連絡すると、「じゃあ、その口座、止めちゃいましょう」と明るい返事が。また新たな口座を送ってくるのですが、その都度警察に知らせたところ、「振込先はお問い合わせください」に変わり、やがてエロ王国は閉鎖されました。
4月30日、行政書士会館で、登録証交付式がありました。新人104人中女性は20名程度でした。ぴかぴかのバッヂを手にして、喜びをかみしめました。
5月23日、自宅から徒歩5分のホールで、東京都行政書士会の総会が開催されました。支部代表者による代議員制度のため、参加資格のない私は傍聴をしに行きました。怒号とヤジが絶えず、会議は荒れ模様で、何人もが「選挙」と書かれたプラカードを掲げて司会者選出を主張したり、数名が壇上に駆け上がる一幕があったりで、活気にあふれていました。
6月4日最高裁で違憲判決が出ました。外国人母から生まれた後に日本人父が認知した子は、その後両親の婚姻があっても帰化の手続きをしなければならないのに、出産前の認知児(胎児認知)は、婚姻によって当然に父の日本国籍を承継するという不平等が問題とされていました。国籍法の規定がそうなっているからです。認知にあたり、婚姻の前後によって父の国籍の承継に差があっていいか、という問題です。最高裁裁判官が大法廷に14名集い、原告勝訴の言い渡しがされました。大勢つめかけていたフィリピン女性とその子どもたちは歓声を上げ、抱き合って泣いていました。
9月15日、目黒のSUNまつりに参加しました。行政書士会目黒支部としてテントを出し、啓蒙活動のために簡単な相続クイズを実施して、景品を配るのです。無料の炭火焼きサンマ目当ての大行列を見守りながら、声を嗄らして客引きをしました。
9月23日、パチモン学者が教鞭をとる釜山の東西大学に招かれて、日本語学科の単発特別講義を担当しました。「男性社会を変えた日本の男女雇用均等法と現代女性のキャリア形成」というたいそうなテーマです。自分の来し方を日本語韓国語交じりで語りながら、転職のポイント、キャリア形成や資格の重要性を伝えました。滞在中、パチモン宅の台所を借りてさまざまな料理を作り、学生を大勢呼んでホームパーティーを開きました。
息子は理科が苦手らしいです。1学期の試験に続き、また28点をとってきました。なかなか同じ点数をとれるものではありません。夫は「お前、いくらなんでもこれはひどすぎるんじゃないのか」と絶句していました。
以前、宅地建物取引主任者試験を行政書士試験と併願で4年くらい続けて受験し、しばらく休んでいましたが、久しぶりに受けたところ、合格できました。
東京都行政書士会目黒支部の新年会が開催されました。何かだしものを、ということで、同期登録の新人女性が練習用スカートをたくさん持ってきて、「女性会員みんなでフラメンコを踊っちゃいましょう!」と提案してくれました。大勢のたどたどしい群舞の後、ちゃんと習っている彼女が、ギター伴奏に合わせて上手な踊りを見せてくれました。
産業カウンセラーの実技試験、2回目の挑戦です。親しい友人は初回受験でした。そして、二人で不合格をくらいました。
2月、mixi内で事件が勃発しました。資格マニアの非公開コミュニティで、18歳の男子が反乱を起こしたのです。その当時、mixiの入会資格は18歳というルールでしたが、彼は16歳から加入していました。本来ならば注意して退会させるところ、優秀な子だったので、教え導きながら守ってやろうと思って接したのが裏目に出ました。いつしか傲慢になっていた彼は、無辜の他人に言いがかりをつけ、複数IDを用いて貶め、傷つけました。やがてその刃は私にも向かってきました。彼の通う高校を知っていたので、証拠画面をプリントアウトして教務主任に面会を申し込み、系列大学への推薦の取り消しも提案しつつ、厳重な注意を頼みました。高校に呼び出された彼とその母親から謝罪の電話がはいり、間もなくmixiから完全に撤退しました。
3月25日、目黒支部、世田谷支部合同の遺言相続研修が開催されました。講師は当時の北支部長。人情味あふれる語り口で、遺言の付言事項に心を込めることの重要性を語りながら、感極まって涙ぐんでいました。その方は2020年現在、東京都行政書士会と日本行政書士連合会、両方の会長を務めています。